高校に海洋学科創設を 漁業担い手・船員養成が課題
15日まで市民意見募集
石垣市は、「第2期海洋基本計画~海洋都市いしがきの海洋保全と利活用~」(2024~33年度)の素案をまとめた。海洋人材の育成と理解の促進などに関する施策を新たに追加。学校での海洋教育や漁業の担い手、船員の養成を課題に挙げ、市内の県立高校に海洋科学科を創設する、と明記した。素案は15日までパブリックコメント(市民意見募集)を実施中。
海洋人材に関しては「外国人実習生がいないとマグロも獲れないといった深刻な状況」「石垣市と八重山の島々を移動するには船舶がほとんどだが、募集しても船員が集まらない状況」として「石垣市の高校にも海洋科学科等を創設して漁業者、船員の養成を行う」とした。同科は宮古島市にはあるが、石垣市にはないことも指摘した。
船員の養成を巡っては、前泊正人竹富町長が3月下旬、船員資格が取得できる履修科目の創設を県教育委員会に要請しており、市も足並みをそろえることになる。
学校での海洋教育では、石垣市サンゴ保全庁内連携チームを通して、特定の学年で必ず海洋学習を受けるようにするなどの基本的な方針を検討する。その際、講話を通して漁業や船舶の重要性と魅力も伝える。
第2期にはほかに海洋の安全に関わる港湾・空港の整備も追加。防災などの観点から「市は石垣港と新石垣空港を『特定重要拠点』として指定し、自衛隊や海上保安庁が利用しやすいよう整備・拡張することを国や県に要請している」と説明、石垣港と同様に新石垣空港の特定重要拠点指定に向け要請を継続する。
尖閣諸島の取り組みでは、「自然環境を保全・管理して資源の適正利用を推進していくため、安全な漁業の実施のためには必須」として漁業施設・自然環境保全拠点施設建設の可能性検討にも言及、「市単独では実施不可能であるため、国・県に継続的に実現を要請する」としている。
同計画に盛り込まれた施策は「沿岸域の総合管理」「海洋生物資源等の活用」「海洋環境と文化を活用した観光振興」「国際交流と貢献」などを加えた計8項目。期間内での実現を目指す。
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