大嵩地区に農業用水供給へ 国営事業、西部で初
石垣市が大嵩地区で実施してきたかんがい排水事業の施設整備工事が完了し、19日に散水式が行われる。国営かんがい排水事業石垣島地区で新設された名蔵幹線水路から分岐して配水するもの。2014年度の国営事業開始以降、石垣島西部地域の新規受益地に初めて農業用水が届くことになる。生産意欲の向上に期待される。
国営事業は、北部・西部の水源未整備地域へ農業用水を供給するため、底原ダム・真栄里ダムの農業用水を名蔵ダム・大浦ダムに補給する「ダム間送水」が特徴。国営で整備する幹線水路は新設50㌔、改修55㌔に及ぶ。同事業は14年度開始、28年度までを予定し、総事業費は349億4200万円(23年度時点)。
国営事業と平行してほ場への末端用水路は関連事業として県や市が整備する計画となっており、大嵩地区では市が21年度から23年度までに3ブロック8・5㌶で給水栓14カ所、農作業道814・9㍍を整備した。総事業費2億5360万円(国80%、県15・5%、市4・5%)で農家負担はない。
受益戸数は9戸だが、これまで末端かんがい施設が未整備のため恒常的な干ばつ被害を受けていたほか、地区内の農作業道もないため作物の植え付け・収穫に支障をきたしていた。
同地区でパイン、マンゴー、サトウキビを生産する就農10年の山崎雄一郎さん(44)は「5年前に大嵩地区で農地を取得したが、130㍍上の上水道からホースをつないで散水していた。今後は料金が相当安い農業用水を使えるので非常に助かる。農業がしやすくなるのでさらに品質の良い農産物をつくっていきたい」と意欲をみせている。
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