新川川にヘドロ堆積 石垣浄水場排水に不純物
市が除去へ「水質に影響ない」
石垣市石垣浄水場からの排水が細かい不純物(2㍉~3㍉)を含んだまま新川川に流れ出て、川底でヘドロ状に堆積していることが、10日までに分かった。浄水場によると、昨年末に市内で発生した断水を受けて沈殿池を念入りに清掃し、その際に出た水の中の土や砂などの細かい不純物がろ過しきれず、川に排水されたことが原因とみている。市は今週から来週にかけて川に堆積した泥の除去作業を行う。排水に薬品などは含まれていないとして「川の水質に影響はない」と安全性を強調している。
浄水場の担当者によると、断水はろ過能力の低下が一因だったため、ことし3月に取水した河川水の不純物と水を分離する「沈殿池」3池を清掃した。その際、底にたまった土などをポンプで天日乾燥床に吸い上げてろ過作業を行ったが、完全に不純物を取り除くことができないまま浄水場外に排水した。
同担当者によると、新川川に放流したのは薬品を加えていない河川や山の水。細かい土や砂で色は黒みがかっており、その不純物が川底に堆積。深い場所で20㌢以上積もっている。ヘドロの正体は把握できているため、市は成分分析を行わない。
ヘドロは、市健康福祉センター側から太洋リネンサプライ側にかけて確認が取れている。不純物の堆積については先月、市民などから連絡があった。
市は管理者の沖縄県に報告し、除去作業に向けて調整中。
同担当者は、今後の対策について「今回、一気に沈殿池を掃除して、大量に砂や土が混ざった水を放出したため堆積したと思う。通常は時間をかけて少量ずつ流しているので、今後は排水量を考えながら行いたい」と話した。
一方、新川川周辺の住民は「私たちは下水道料金を払って水を処理しているのに、行政がこんなやり方で水を放出していいのか」と疑問を呈した。
関連するニュース
- 石垣市、緊急断水で陳謝 初動対応や周知に問題 2023/12/28
- 浄水場の全面更新時期 原水調整池、増設検討へ 2020/03/09