波照間で住民意見交換会 約50人が参加
- 2024年04月09日
- 地域・教育
【波照間】国が整備を進めている特定利用空港・港湾に波照間空港が指定候補となっている件について、竹富町主催の住民意見交換会が8日夕、農村集落センターで開かれた。島民約50人が参加、「防衛予算に頼らないでほしい」「戦争を想起させるものを子どもに継がせたくない」「はっきりとは決まっていない」などさまざまな声が寄せられた。前泊正人町長は「大勢の前で意見するのは難しい面もあると思うが、声に出さないような声もくみ取るよう努力し、波照間島・竹富町のあり方をしっかりと見据えたい」と述べた。
波照間島では、ことし1月、15年ぶりに空路が再開した。意見交換会では継続を望む声が相次ぐ一方で、滑走路延長には慎重な声も。島民からは「一番怖いのは、延長して民間が採算を取れないとなって自衛隊だけになること。そうなるかは分からないが、今飛んでいる飛行機を大事にしてほしい」との声があがった。
子ども3人を育てる主婦の女性(36)は「子どもたちにどういう大人の姿を見せたいかと思った時に、戦争(を想起させること)で潤ったとは見せたくない。滑走路延長でメリットもあるかもしれないが、それを子どもに継がせるのは嫌だ」と声をふるわせた。
60代女性は「軍民共用などと聞くと母や祖父から聞いた戦争の話を思い出してしまって心配になる一方で、島が潤う一つの方法という考えもあり揺れ動いている。はっきり決まっていない人もいるということを考慮してほしい」と要望。
ほかに「ほかの八重山の市町は自衛隊を誘致して防衛省の予算で地域振興を図ろうとしているが、竹富町はそういうことがないようにしてほしい」、「島の産業は国に頼るのではなく島の人がやらないとダメ。自衛隊に頼らず、島でしっかり地道に農業をやる必要がある」などと念を押す声もあった。
元町職員の男性(74)は「防衛省から町有地の売却などの話が来たら、ぜひ地元の意見として来るなと対応してほしい」と要望、前泊町長はそういった話はないと前置きしつつ「どういった案件であれ何かを進めていく際には、私の一存で決めることはしない。(町民に)説明したうえで、しっかりと意見を申し上げたい」と応じた。
説明会には、町側から前泊町長をはじめ、山城秀史副町長、田代仁総務課長、冝間正八政策調整官、津嘉山翔政策推進課課長補佐が出席した。
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