八重山出身者ら受章 第42回危険業務従事者叙勲
政府は6日付で第42回危険業務従事者叙勲の受章者を発表した。八重山出身者では元石垣市消防司令長の大工嘉広氏(68)=黒島出身、那覇市在=が消防功労、元県警部の仲間明弘氏(73)=宮良=と元県警部補の上原正啓氏(73)=登野城=、元県警部の大底紀雄氏(73)=黒島出身、沖縄市在=、元県警部の下地邦男氏(73)=登野城出身、那覇市在=がそれぞれ警察功労で受章した。ほかに元海上保安官の笹岡日出夫氏(65)=徳島県出身、石垣市在=と浮牟田學氏(68)=鹿児島県出身、石垣市在=が海上保安功労を受ける。全国では3616人、沖縄県内では45人。
【瑞宝双光章・消防功労】 大工嘉広氏(68)
2011年度から5年間、石垣市消防長を務めた。消防長となった年に東日本大震災が発生した。当時の本部は海抜の低い市役所隣り。職員からは「助けるどころじゃない。自分たちの命が危ない」との声を受け、高台移転に尽力した。
当時の漢那政弘副市長のサポートを受けながら消防本部は字石垣への暫定移転を経て現在地に。「市長や議会のおかげで実現した」と今も達成感がある。
「離島は人員も資機材も研修も少ないが、市民の命を守る義務がある。自己研さんを惜しまず頑張ってほしい」とエールを送る。
【瑞宝双光章・警察功労】 仲間明弘氏(73)
1970年に琉球警察採用。定年退職までの41年間のうち27年は各署捜査一課内の鑑識係を務めた。
94年に大東島近海上空で発生したフィリピン航空機爆破事件で鑑識を担当し、国際テロ事件の究明に貢献。その後、FBIに逮捕された容疑者の裁判でニューヨーク地裁に証人として出廷、検証結果や証拠などを示した。
「採取した資料でいい結果が出た」と振り返る。受章に「家族の協力と同僚、地域の方々のご指導のおかげ」と感謝、「事件事故のない八重山であってほしい」と願う。
【瑞宝単光章・警察功労】 大底紀雄氏(73)
中学校1年まで黒島で過ごして沖縄本島に移住。大卒後、県警に採用。八重山勤務はなかったが、県内各地で主に少年課や刑事課を担当した。
印象に残るのは離島での交番勤務。匿名の通報を受け、女性暴行事件を確認、慎重に捜査を進め容疑者逮捕に踏み切った。単独捜査での逮捕は初めてだった。
「小さな情報が大きな情報になるかもしれない」。事件が少ない日は近隣住民とよく話し、街の変化を見極めた。座右の銘は「継続は力なり」。「派手にやってすぐ辞める人もいるが、続けることが重要だ」。
【瑞宝単光章・警察功労】 下地邦男氏(73)
大卒後2年目で石垣市役所に採用されたが、中高とやっていた柔道を生かしたいと方向転換して警察の道へ。コザ、警備課機動隊、八重山などで勤務。機動隊では要人警護に当たった。
柔道では県柔道選手権大会で3連覇を含む4度の優勝。県民体育大会50代の砲丸投げで県新記録も樹立した。
脳出血の後遺症で左半身が動かない時期もあったがリハビリで克服。マスターズのベンチプレス競技で日本新記録も樹立した。「市役所を辞めた決断はよかった。柔道のチャンピオンになれたから」。
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