八重山毎日新聞社

　３日の津波警報発令の際、車で逃げた。ちょうど出社しようとしたとき。一瞬迷ったが、そのあとの取材のことも考慮してのことだった▼高台にある避難場所の中学校に向かうと、登坂で車両５台ほどが信号待ち。いつもそんなに列をつくることはない。選択を間違ったと悔やんだ▼同中に到着して校舎４階に行き、しばらくして真下の道路をみると長い車列ができていた。「車での避難は危ない。間に合わずに流される。車を乗り捨てて避難したときには通行の邪魔になる」。知人の話に恥じ入った▼避難所や高い台に向かう道路はどこも渋滞が発生していたという。避難は原則徒歩。歩行困難な人に限って車を使用したい▼同中では教職員が住民らを誘導するなど支援に当たった。園児に不安を与えないよう電子黒板で子ども向け映像を流したり、お年寄りにイスを用意したり、市が備蓄していた水を配布したり。心強く心温まる対応だった▼一方で休日や夜間だったら…と不安も。筆者のみならず、避難方法や避難場所での心配ごと・困りごとなど、さまざまな課題を感じたことだろう。幸い石垣市が今後の対策に生かそうと津波避難に関する住民アンケートを実施している。筆者は反省しながら回答した。すぐ終わる。皆さんもぜひ協力を。（比嘉盛友）