八重山毎日新聞社

　3日午前8時58分ごろ、台湾東部沿岸付近を震源とする地震があり、与那国島で震度4、石垣島と西表島（竹富町）で震度3を観測した。気象庁によると、沖縄本島と宮古・八重山地方に津波警報が発令され、午前9時14分に与那国島（久部良）で30㌢、同9時32分石垣島（石垣港）で20㌢の津波が到達した。震源の深さは23㌔、地震の規模（マグニチュード＝Ｍ）は7・7と推定される。石垣市では避難中の70代男性が呼吸苦に陥り、酸素投与の処置を行い搬送された。（8、9面に関連）

　地震発生に伴い気象庁は、午前9時1分に津波警報を出した。八重山地方では東日本大震災があった2011年以来の警報となる。その後、同10時40分に津波注意報に切り替わり、正午に解除した。宮古島（平良）では同10時3分に30㌢の津波を観測した。

　震源に近い与那国町では午前9時10分、町役場で対策本部を設置。消防団が各集落へ避難対応のため出動し、防災行政無線で住民らに避難を呼び掛けた。午後0時5分に避難指示を解除した。

　祖納地区は与那国中学校とティンダバナ、久部良地区は久部良小学校、比川地区はあぐにの木（高台）へそれぞれ避難。与那国中学校には仮設の診療所を設け、体調不良者に対応できる環境をつくった。

　竹富町は同無線で各島の住民に高台避難を誘導。午前9時20分、石垣島にある町役場で災害警戒本部を設置。各島や地域の消防分団、黒島、波照間公民館から被害状況を確認し、午後1時15分の同本部会議で情報を共有した。避難解除は1時50分に出した。

　与那国、竹富の両町によると、人的・物的被害は確認されていない。

　石垣市は市役所で災害対策本部を午前9時4分に設置、防災無線から日本語・英語・中国語で避難誘導を繰り返した。情報収集のため同46分に自衛隊員が到着。津波注意報にかわったため、災害対策本部準備態勢に移行して警戒を続けた。

　同対策本部では、石垣市指定避難所に避難した人数をカウント。午後4時時点で37カ所、5155人の避難を確認した。

　また市によると、美崎町周辺でパトカーが呼吸苦の70代男性を発見。竹富町役場に移動後、到着した救急車で病院に搬送した。男性は意識があり命に別条はない。

　畜産の被害も出ている。八重山食肉センターで牛3頭の屠畜中に津波警報が出たため従業員全員が高台に避難。牛が2時間以上放置されたことで、内臓が廃棄された。肉の部位については冷凍保存し後日、保健所に問題ないか確認する。

　気象庁は、地震発生から1週間程度、同程度の地震に注意が必要だとし、「特に今後2～3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くある」と警戒するよう求めている。

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