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与那国町久部良の海人、故・玉城正二(せいじ)さんの…

 与那国町久部良の海人、故・玉城正二(せいじ)さんの人生をまとめた「玉城正二、亡妻千代が家族に伝えたい82年の物語」をいただいた。著者である三女の杉本正枝さん(62)も偶然お目にかかり、ちょうだいした▼筆者は15年ほど前、玉城さんにお話をうかがったことがある。戦後間もないころに台湾で作成されたとみられる「琉球漁民団」の名簿に、正二さんの7歳上の兄、正一さんの名前が記載されていたこともあり、島と台湾のかかわりを教わりたいと思ったのである▼「―の物語」によれば、戦時中、正一さんは戦地に赴いていた。正二さんは島にいて、避難生活のために学校にはほとんど通えなかった。正枝さんが正二さんの人生を書きとめてくださったおかげで、島の暮らしがいかに多様な体験によって成り立っているのかあらためて理解することができた▼琉球漁民団の資料は、台湾の国史館台湾文献館が収蔵する。そのホームページの検索コーナーを使えば、だれでも探し出すことが可能だ▼琉球漁民団のメンバーはどのような人たちなのか。与那国の人はどれだけ含まれていたのか▼島の人たちなら豊富な手がかりを持っていることだろう。「―の物語」のような個人の歴史を束ねていくことで、島の社会が立体的に再構成できるに違いない。(松田良孝)

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