台湾からギリシャに売却 市準備課も把握「影響ない」
- 2024年03月21日
- 社会・経済
石垣市が石垣港―台湾基隆港間の定期航路開設事業で使用する船舶の候補に挙げている高速フェリー「ナッチャン・レラ」(1万712㌧)が、ことし1月に台湾の民間企業「ワゴングループ」からギリシャのフェリー会社「シージェッツ」に売却されていたことが20日までに分かった。市石垣港・基隆港定期航路開設準備課も把握しているが、事業への影響については「ない」としている。
シージェッツはエーゲ海で貨客フェリーサービスを運営する会社。ナッチャンは今月、ギリシャの港湾都市ピレウスの港に到着、船名も「ユーロチャンピオンジェット」に改められている。ギリシャの沿岸海運と観光サービスに使用されるという。
ナッチャンはオーストラリアのインキャット社が2007年に建造した高速双胴船。旅客定員は約800人で、積載貨物は40フィートコンテナ約28本、乗用車100台。かつて東日本フェリー(当時)が保有し、青森港―函館港の間で運航していたが、航路撤退に伴い2012年10月に台湾の海運会社に売却されていた。
石垣台湾航路開設事業の候補船にレラを挙げ、市は購入には莫大な費用がかかるとして10年間の割賦で購入できるBBCHP方式の所有権移転付用船契約に向けた調整を行うとしていた。さらに国の補助事業を活用して荷役設備を設置し、新法人に引き渡すことを検討していた。
台湾航路開設事業への影響について同課の嶋田廉課長(企画部部長兼DX課長)は八重山毎日新聞社の取材に▽所有会社が変わっても引き続き交渉が可能である▽レラ以外にもいくつか候補船があり、調整をしている―として「候補船をいつ発表できるか検討しており、引き続き調整していく。事業には影響ない」と説明した。候補船の数について「数隻」と述べた。
中山義隆市長は昨年12月25日、検討委員会(委員長・嶋田廉企画部長)から具体的な施策を盛り込んだ報告書を受けた際、開設時期について2024年度内を目標にする考えを示し、翌日には運航を担う新法人の設立から航路開設までサポートする準備課(3人)を新設した。
航路開設は2024年度施政の目玉事業となっており、同方針は「早期の定期航路開設に向け、一気呵成に進めていく」とし、新法人についても「年内に候補となる企業を選定し、早期稼働に向け調整を開始する」としている。
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