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米駆逐艦、石垣入港 県の自粛要請 再び無視

竹富町の島を行き交う旅客フェリーの後方に停泊するミサイル駆逐艦=石垣港湾区域内の検疫錨地

竹富町の島を行き交う旅客フェリーの後方に停泊するミサイル駆逐艦=石垣港湾区域内の検疫錨地

クルーズ岸壁から上陸するミサイル駆逐艦の乗組員ら=11日午後2時半ごろ

錨地で停泊、乗員上陸 クルーズ岸壁使用、市が許可

 米海軍第7艦隊のミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(排水量9365㌧)=横須賀基地所属=が11日午前8時40分ごろ、石垣島と竹富島の間にある石垣港検疫錨地に停泊した。石垣港には昨年9月、米海軍掃海艦「パイオニア」が14年ぶりに入港したばかり。クルーズ船岸壁周辺で反対する市民らと乗組員を乗せたバスがにらみ合う場面も。全日本港湾労働組合沖縄地方本部は、組合員の職域の安全を守るため午後から石垣港でストライキを決行した。米軍のミサイル駆逐艦が民間の石垣港に入港するのは初めてとみられる。(8、9面に関連)

 米海軍側は、今回の寄港は補給と乗組員の休養が目的の定期的な「通常寄港」と位置付けた。午前7時半ごろ、石垣島沖の水平線に同艦船が姿を現し、同錨地に停泊した。乗組員らは午後、マリンレジャー用のボートに船に乗り換えて、南ぬ浜町新港クルーズ岸壁から上陸。貸し切りバスに乗車し市内でショッピングや飲食をした。

 同岸壁駐車場の周囲には目隠しのため、バリケードを設置。バリケードの外では「石垣島に軍艦は立ち入り禁止」と書いた横断幕やのぼりを手にした市民らが「ゴーホーム」と気勢を上げながら寄港に反対した。

 半年前の米海軍掃海艦が入港した時と同じように、今回も一部市民が寄港中止を訴え、玉城デニー県知事も自粛を求める中での強行。艦長のスティーブン・ザクタ中佐は、寄港の意義について「この地域の安全と平和を維持する、私たちのコミットメントを体現するものだ」と述べた。

 アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦は、横須賀に前方配備されている。全長約155㍍、喫水9・8㍍、乗組員数は約300人。敵基地攻撃ミサイル「トマホーク」など各種ミサイルを搭載。就役は2017年7月29日。米軍艦船の寄港は今回で3度目。

 同駆逐艦は、報道陣のほか、八重山防衛協会、石垣市商工会、石垣市議の会派・未来、会派・自由民主石垣の市議らも見学のため乗艦。参加者によると艦内で歓迎セレモニーもあったという。

 石垣市は10日付でクルーズ岸壁の使用許可を出した。市によると、同艦船は13日午前9時に港湾区域内を出ていく予定。

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