川平方言会話集が完成 350の実用的例文「有効活用して」
- 2024年03月08日
- 地域・教育
川平老人クラブ寿会と国立国語研究所が制作した「川平方言会話集」が川平小中学校に寄贈された=7日午後、同校
「川平方言会話集」では350の実用的な例文が分かりやすく学べる内容となっている=7日午後、川平小中学校
川平老人クラブ寿会(仲桝幸伸会長)が国立国語研究所とともに制作した「川平方言会話集」が完成し、7日付で発行された。350の実用的な例文から川平方言を学べるものとなっている。同会は同日午後、川平小中学校(比嘉正樹校長・67人)を訪れ15冊を寄贈、仲桝会長は「有効活用していただけたら」と期待を込めた。
同会は方言の保存継承を目的に、2022年1月の総会で会話集の制作を決定。県のしまくとぅば普及センターの資料を基に原稿を作成し、同年2、3月に音声を収録した。話者は会員の大仲進さん、﨑山用佳さん、髙嶺英輝さん、南風野かつさん、石垣リツ子さん、故・糸満英憲さんの6人が務めた。
収録した音源を同研究所がデータ化し、会話集としてまとめ計200部発行。同日午後、研究所特任助教のセリック・ケナンさんがクラブに160冊贈呈し、そのうち15冊を同校へ寄贈した。
方言集は全9章立ての45㌻。川平方言の特徴の解説のほか、自己紹介やお祝い・行事、病院、タクシー運転手との会話など場面ごとの例文がかな表記で掲載され、実用的な言い回しが学べるようになっている。身体語彙や親族呼称など日常で使える150単語もイラスト付きで分かりやすく紹介されている。
同校校長室で行われた贈呈式で仲桝会長は発行業務を担った研究所の助けに感謝しながら「いい会話集ができた。このような資料ができれば川平村もさらに楽しくなる」と期待。とりまとめの中心となった髙嶺善伸さんは「島の方言をなくしてはいけないという使命感から作り上げることができた。毎年9月の川平すまむに大会もより充実したものになりそう」と笑顔を見せた。
同校はクラブと研究所の協力を得ながら、会話集を使用した方言教室の実施を検討している。比嘉校長は「ぜひ有効に活用させていただきたい」と述べた。
収録した例文や音声データは同研究所のホームページで公開される予定。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。