低迷が続く子牛のセリ価格に、石垣市内では…
- 2024年03月07日
- 不連続線
低迷が続く子牛のセリ価格に、石垣市内ではついに畜産業を廃業する農家も出始めているという(6日付本紙1面)▼八重山家畜市場の子牛のセリ価格は、ご祝儀相場が期待できる1月の初セリで平均49万7716円。前月を上回ったものの、前年初セリから6・6万円下がり、低迷するセリ価格の持ち直しの兆しがまだ見えない。この初セリの価格を見て廃業を決めたという高齢農家もいる▼若い農家の間でも「牛では赤字経営が続き、バイトの掛け持ちで生活費を稼いでいる」という厳しい現実があるようだ。また「(現状では畜産業を)続けられない」として、関係機関にもう少し危機感を持つよう訴える生産者もいる▼子牛のセリ価格は、長い歴史の中で上下動を繰り返してきた。新型コロナ禍前までは外国人観光客の増加に和牛人気も重なり、畜産バブル状態に。一転、コロナ流行のあおりを受け、子牛価格が急落。下げ止まる気配がみえない▼だが、現在のセリ価格だけを見れば、過去の低迷時と比べ高値だ。違うのは生産コスト。円安、原油価格高騰などの影響で飼料価格などが急騰。採算割れ状態だという▼市場が好転しない限り生産農家の力で現状の打破は難しい。生産者が畜産に意欲を持ち続けられるよう、関係機関の効果的な支援は不可欠だ。(下野宏一)
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。