遂に「12年株」単収10㌧達成 さとうきび株出し、機械入れず肥培継続
手刈り計1000㌧も
収穫した後に出てくる株を育てる「株出し」という栽培方法でさとうきびを生産する松竹哲男さん(83)=石垣市大浜=が、2023/23年期の目標としていた「12年株で10㌃当たり単位収量10㌧」を達成した。石垣島製糖関係者によると、株出しは徐々に収量が落ちるため通常2~3回で終わる。松竹さんは手刈りによる収穫方法と徹底した肥培管理で12回も継続している。
松竹さんは市農業開発組合理事長退職後の2010年から3カ所のほ場(計108㌃)で栽培を開始した。このうち平得地底の18㌃のほ場で「10年株で単収10㌧への挑戦」を掲げ、10年目の21/22年期で単収11・2㌧を達成。次に定めた「12年株で単収10㌧」は今期で収穫量19・120㌧、単収10・622㌧、平均糖度13・4度の実績を上げてクリアした。ほかのほ場と合わせて15年間の手刈り収穫目標としていた1000㌧も14年目の今期で上回った。
松竹さんは「自分に課した課題のクリアを目指し、努力が形になる喜びを味わいたい」として理事長時代に優良農家を手伝ったりほ場を見たりした経験も生かしながら「単収10㌧のさとうきびを作ってみたい」「愛情を注ぐため1本1本と触れ合いながら育て、さとうきびに感謝しながら自分の手で収穫してみたい」「培土はブルトラを逆回転させて高培土にしたい」「高培土時に堆肥センターの堆肥を株元へ入れたい」などと肥培管理を実践してきた。
こうした目標と実践が評価され、昨年4月の第47回県さとうきび競作会の表彰式で特別優良事例として県糖業振興協会理事長賞を受けている。
松竹さんは「収穫のときは大きなキビがいつ出てくるかと楽しみ。目標があるので暑さ寒さも苦にならない。目標があるから達成したときの喜びがある」と話す。自ら設定した数々の目標の達成に「ホッとしている」と喜び、「今後はこれをどう持続させていくかだ」となお意気盛んだ。
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