西表石垣国立公園編入へ 名蔵湾海域
- 2024年03月04日
- 政治・行政
名蔵湾が環境省指定の西表石垣国立公園に編入される。同省の中央環境審議会(中環審)が2月15日に答申した。崎枝から大崎にかけての水深50㍍までの2565㌶が新たに普通地域として3月下旬以降に指定される見通し。アカジンやヒフキアイゴなどの幼魚は同海域以外ではほとんど見つかっておらず、専門家らは「マングローブ、干潟、サンゴと陸域から海域への一連の保全が大切になる」と指摘する。
同省ではおおむね5年に1度、国立公園の区域や計画の見直しを行っており、今回は第4次点検として自然公園小委員会の議論やパブリックコメントなどを経て中環審が環境大臣へ答申した。
同公園は1972年5月に指定されて以降、2007年度の第1次点検で石垣島の一部を編入して現名称に改称。第2次では波照間島を編入し、第3次では西表島全域に範囲を拡張した。
第4次点検は、2015年から20年にかけて同省が行った調査を踏まえた。同湾上流域で土地改良などの開発行為が行われていた高度経済成長期に壊滅的な影響を受けていた浅海域のサンゴ群集が全般的に回復しつつあるとともに、国内最大規模の沈水カルスト地形や巨大なコモンシコロサンゴ群集、中深度に広がる良好なサンゴ群集が発見されるなど、海域の重要性が明らかになってきたことが評価された。
同省は「名蔵湾海域の適正な保全管理を図るため、公園区域に編入する」と説明する。
編入される海域は規制の緩い普通地域。潮干狩りや魚釣り、自然観察などに制限はないが、埋め立てや構造物の設置などには環境省への届け出が必要となる。
同省が全国で指定する国立公園は北海道から沖縄まで34カ所あり、西表石垣国立公園が最も南に位置する。
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