今回も無投票の公算大 石垣市地区
任期満了に伴う沖縄県議会議員選挙(6月7日告示、同16日投開票)の石垣市選挙区(定数2)=石垣市、竹富町、与那国町=は24日、県政野党で自民党公認の現職大浜一郎氏(61)=石垣市石垣=が出馬を表明した。県政与党の現職次呂久成崇氏(49)=同大浜=は3月中に会見する予定。2氏とも3期目を目指すが、ほかに動きはないことから前回に続き無投票の公算が大きくなっている。
今県議選は、名護市辺野古への新基地建設阻止を公約に2022年9月に当選した玉城デニー氏の「中間評価」の側面があり、選挙結果が玉城氏の県政運営に大きな影響を与えることになる。
県議会(定数48)は現在、議長を除き玉城デニー氏を支える与党が24人、自民・公明などの野党・中立が23人と拮抗している。与党は現有議席の維持・拡大を狙い、自民は中立会派を加えて過半数を目指す。
石垣市区は定数2となっているため、長年にわたって与野党で1議席をそれぞれ確保する構図となっており、同区の選挙結果が直接、与野党構成に影響することはない。ただ、国境に近く数多くの離島を抱える選挙区となっているため、離島振興が大きなテーマで共通する政策も多い。
ただ、今回は、政府が進める「軍民共用」の特定重要拠点空港・港湾指定を巡るスタンスに違いが出ている。同指定を巡っては八重山3市町長を含む県内離島市町長が整備を要請しており、大浜氏はこれを後押しする立場、次呂久氏は玉城知事同様に慎重姿勢をみせている。
ところが、指定候補の一つとなっている波照間空港について島民有志が実施たアンケートで反対57・9%、賛成・容認26・1%という結果が22日に明らかになり、こうした「民意」にどう向き合っていくのか注目されそうだ。
■大浜氏が出馬表明 石垣市地区
八重山地域発展に決意
県議選(6月7日告示、同16日投開票)で現職の大浜一郎氏(61)=自民党公認=が24日夕、石垣市内で会見し、出馬を表明した。「離島の振興なくして沖縄の振興はない」を政治スローガンに「八重山地域の発展に尽くしていく」と決意した。
大浜氏は離島医療の充実の問題、離島住民の移動コスト軽減事業、農林水産条件不利性解消事業などについて「沖縄振興策がある間で対応できている問題。2年後に振興策の見直しが行われる」とし、「私たちとしては振興策の終焉までに、どうにか別枠の政策としてできないか考えている」と事業継続の必要性を説いた。
離島に足を運ばないとして玉城デニー知事を批判、「現在の県政はパフォーマンスだけ。マスコミに映ることは真剣に振る舞うが、実は内容がない。県議会の中で見えてきた」とした。 2期目で印象に残る自身の活動については、2021年に発案した「新型コロナウイルス感染症の影響を受けている観光産業の再興に関する条例」が臨時県議会で全会一致の可決をみたことを挙げた。
政府が進める特定利用空港・港湾(特定重要拠点)の指定に関しては改めて推進する立場を示した上で波照間空港については「意図やどういった方向性で行くのか、しっかりと国、県、町が住民に説明する必要がある」と述べた。
大浜一郎(おおはま・いちろう)。1962年3月7日生まれ。石垣市石垣。青山学院大学卒。㈱石垣エスエスグループ代表取締役社長。2018年9月の県議補選で初当選した。
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