八重山毎日新聞社

　先日、国内有数の観光地、京都を観光した▼平等院や清水寺、金閣寺、嵐山など名所を2日間で巡ったが、どの観光地も観光客でごった返していた。中国の春節と重なったこともあり、中華系を中心に韓国、欧米、東南アジアなど外国人観光客の多さも驚きだ▼京都は、バス路線が充実し、観光地巡りもほぼバスで行える。筆者も大半をバスを利用した。ただ、そのバスの混み合い方は尋常ではない▼バスは、観光地などを通る主要路線は10～15分間隔で運行しているようだ。ただ、始発となる京都駅で大勢の観光客が乗り込み、ほぼ満席状態。途中の停留所では、地元住民らが乗ることができずに次のバスへと乗車を先送りされることも▼その満員のバスの中で、地元の女性たちの「税金を払ってるのに何で、京都府民が乗れないの。おかしい」との話し声に、京都の好調な観光が地元の人々の生活に及ぼす悪影響の一端を認識した。その観光客の一人としてバスに乗っている筆者も肩身がせまい思いがした▼バスに乗れない問題は、石垣市でも発生している。ただ、便数を増やすにも運転手不足などの問題もあり、すぐに解決できるものではない。観光業にとっては観光客数は重要な要素。地元の人々の生活とのバランスの重要性を京都旅行で考えさせられた。（下野宏一）