八重山毎日新聞社

　マイナンバーカードに健康保険証機能を付加した「マイナ保険証」。代わってこの秋、紙の保険証が廃止される。医療機関受診に必要な保険証だが、ここへきてにわかに信じ難いニュースが▼国家公務員のマイナ保険証利用率である。昨年11月時点で国民全体の利用率とほぼ同水準、4・3％の低さ。行政デジタル化を進める「旗振り役」の国家公務員でさえこの程度なら、マイナ保険証のメリットをいくら訴えても国民に届かない▼ちなみに制度所管の厚労省は4・88％、最低は防衛省2・5％。国会議員先生方の利用率はどうか、調査するのも一興かも▼そもそもマイナカード本体の取得率は昨年末時点で73％余り。ポイント給付をアメに国あげて加入促進してさえ7割。沖縄県はやっと6割で全国最低▼なぜか。デジタル化の「未来予想図」が国民に十分理解されないうちに、上からの「押し付け感」があったからではないか。「アメ」作戦も見透かされ、個人情報の「誤登録」など不信感につながったに違いない▼それにしても肝心の旗振り役でさえ信用してないマイナ保険証。制度利用の100％達成なんて無理。不便を覚悟の、あえてアナログな生き方を選択する自由があってよくないか。ところで沖縄県の、各市町のわれらが「旗振り役」の利用率はどれぐらいだろう。気になる。（慶田盛伸）