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先月末、石垣市民会館で催された…

 先月末、石垣市民会館で催された石垣市伝統芸能振興大会に宮良村の古謡保存会がジラバを歌った▼古謡のアヨウやジラバ、ユンタは野良仕事や普請の現場で男女の掛け合いで歌い継がれてきた労働歌▼ところが近年では農業も道、家普請も機械化が進み、かつてユイマール(相互助け合い)で行われてきた作業の場も激減、並行してこれまで伝承を担ってきた先達が次々死去、きちんと覚えて歌える人も数少なくなった▼結果、稽古は先輩たちが残した音源の節回しをまね、印刷された歌詞を目で追い覚えるという方法。配られたプリントの歌詞表記は言語研究で使われている、しぃ、りぃ、ちぃ、きぃなど。実際の音は、す、る、つ、くに近く発音の約束を知らずにそのまま口にすると注意される▼最近気になる点に地域の掲示板や新聞などが学際表記で、方言をしぃぅまむに、豊年祭をぷーりぃ、若夏をばがなちぃ、盆の後行事をいたしぃきぃばらなどと表記しているが、読者のためには耳が捉える音に近い、すまむに、ぷーる、ばがなつ、いたすくばらなどの表記に整理してもらえないかと思う▼私たちが学校で習う英語本の表記も例えばうぉたー(水)が外国では通ぜず、現地発音を耳で捉えた表記・わらーで言い直したら通じたとの話もある。考慮願う。(仲間清隆)

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