4月開始に疑問の声 タクシー業界、課題多く
- 2024年02月09日
- 社会・経済
石垣版ライドシェアの発表を受け、関係者からは不安の声や4月開始の実現性を疑問視する声が上がっている。今回、石垣市が導入を推し進めようとする「石垣版ライドシェア」は、タクシー会社が所有するタクシーを一般のドライバーが運転し、有償で旅客運送をしようというもの。道路交通法上、運転手は2種免許の取得が必要となるが、石垣市企画部によると国が示した制度案では1種免許での乗務が可能になるという。
国は7日、一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ「日本版ライドシェア」の制度案を有識者会議に初めて示した。運行管理を行うタクシー会社には、ドライバーの教育や車両の整備、勤務時間の管理を行うことなどを義務付けている。
国交省は3月中にも制度を固めて道路運送法に基づく通達を出し、制度を開始する。市は、石垣版ライドシェアもこれに合わせてスタートしたい考えだ。
対象地域は、タクシーの配車アプリなどのデータからタクシーの不足する地域や時間帯をはじき出し、国の基準に適合したタクシー会社にライドシェアへの参入を認める。
そこでネックとなるのが、石垣島が規制緩和の対象地域となるかどうかだ。国交省がタクシー不足と判断しなければ実施できない。
また、実際の運行はアプリを使った配車やキャッシュレス決済が前提となるほか、事前のドライバー研修、保険の見直しも必要となることからスタートの実現は不透明だ。
報道で石垣版を知った市内のタクシー事業者は「4月に始めるということだが、詳しい内容は何も知らされていない。どのようなものになるのか不安だ」、別の事業者は「1社だけ始めるとはいかないと思う。詳細を詰めて一斉スタートとなるとなかなか大変そうだ」との見通しを示した。
事業者側へは乗務員から「2種免許取得者と給与面など待遇の差はどうなるのか」など心配の声もあったという。
県ハイヤー・タクシー協会の大城直人専務理事は「石垣版は、タクシー車両を使うという協会が求めていた形のライドシェアだ。ドライバーの教育や安全確保、保険の問題など課題は多いがなんとか成功させてほしい」と述べた。
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