石垣島の山の魅力発信 八重高生2人がパンフ作成
石垣島にある山に特化した情報発信パンフレットがこのほど完成した。高校生を対象にした石垣市運営の「公営塾」に通う八重山高校2年の大濱優人さんと運道孔太さんが「石垣島で山おこし」(山プロジェクト)として取り組んでいるもので、「八重山の高校生が石垣島の山に登ってみた」のタイトルで初・中級者向けに紹介する内容をまとめた。昨年12月に100部を発行し、好評のため今月中には500部を増刷する。
パンフで取り上げている山はバンナ岳(230㍍)、前勢岳(197㍍)、屋良部岳(216㍍)、野底マーペー(282㍍)。写真とともにそれぞれの魅力と登山上の注意点、チェックポイントなどを分かりやすく記載している。
石垣島の魅力と言えば「海」と言われるのが一般的だが、メンバーは「山もいけるんじゃない」との気持ちから同プロジェクトを立ち上げた。2022年12月から具体的な活動を行っている。
まず観光客にアンケートを行い、121人から回答を集計した結果、石垣島に山があることは知っているが、登ったことはないとの結論に。理由は「しんどそう」「海があるから山はいいかな」「危険そう」「年齢的に無理」など。登山は辛いとのイメージが浮かび上がった。
そこで実際に登ってみた。すると▽山を訪れる観光客を増やしたい▽地域の人にも山の魅力を知ってもらいたい▽将来的に石垣島の環境保全がしたい―との思いを強くし、山に特化したパンフレットがなかったことから自ら作成することに。
ただ、パンフ作成には協賛企業の確保やレイアウト・デザイン、パンフレット設置場所の確保など課題も。メンバーは一つ一つ課題の解決に取り組み、3企業から計4万5000円の協賛金を確保。デザインの骨組みは自らつくったものの、より良いものにしようと八重山高校美術部のメンバーにロゴを、地元のデザイン会社「イチグスクモード」に詳細なデザインをそれぞれ依頼し、話し合いを重ねて昨年12月に完成させた。
パンフレットは100部を印刷。協賛企業やアウトドアショップなど3店舗に置いたが、すでにすべてなくなったため500部を増刷し、設置店舗も増やす考え。
大濱さんは「最初は個人的な理由で始めたが、プロジェクトを通して山が好きになり、自分自身も成長することができた」と振り返り、運道さんは「いろんな人たちの支援を受けてパンフレットという形になり、いいねと言われ、達成感があった。活動への熱が人に伝わってうれしい」と話している。
今後はデザインの修正を加えて磨きをかけるほか上級編の作成、「謎解きガイド」などの作成も計画する。さらにパンフレットがより広く行き渡るよう配布方法など活用策も検討する。
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