はたとえが多い。「雲をつかむ」。…
- 2024年01月30日
- 不連続線
「雲」はたとえが多い。「雲をつかむ」。ものごとが漠然として、とらえどころがないさまを言う。「雲に汁」は雨乞いの祈りが届き、雲が雨の気配を帯びることを言う。「雲にかけはし」は、かなえられない高望み。さてどうなるか▼そう、空港と港湾の「特定重要拠点施設」候補選定をめぐる見解の相違である。このうち空港は県管理のため、県知事の同意がなければ整備ができない。県への整備要請を前に中山市長は、滑走路延長の必要性として国際利用、なかでも欧州からの旅行需要に期待感を示す▼これに対し選定整備と日米の軍事利用に反対する市民団体は、市長の欧州需要発言について「欧州からエアバスの直行便で石垣島に来るニーズは高いのか」と疑問を投げかける▼読む人それぞれに解釈があるはず。整備しなければ欧州需要は実現できない「雲に汁」。一方で空港、港が軍事拠点として破壊されれば元も子もない「雲にかけはし」▼われら九州に避難できたとして、80年前の学童疎開のように「やーさん、ひーさん、しからーさん」思いをしないか。避難できなかったとして、兵員、弾薬等の軍需輸送が優先され、食糧輸送や身の安全など市民が後回しされないか▼「雲をつかむ」話かどうか。今こそリアルな想像力が必要なのかもしれない。(慶田盛伸)
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