八重山毎日新聞社

　子どもが小さいころは、弁当を持って公園でピクニックをするのが楽しかった。ところが、成長するに連れ、部活や学校での付き合いなどで、いっしょに過ごす機会も減った▼最近はこれにスマホがダメ押しをかけてくる。昔はテレビを見続けていると「勉強もしないで」と注意されたものだが、最近はテレビすら見ない。せめてテレビくらいはいっしょに、と親のほうから誘う始末である▼実家などで親類が集まるとき、子どもたちはどう過ごしているのだろう。大人との話が合わず、または酔っぱらいの話を聞くのが嫌で、あるいは手持ち無沙汰で、スマホの画面を見ていることが多いのではないか▼わが家もだいたいそんな感じだが、ことしの年始はちょっと違った。30代のめいが折り紙とペンを大量に持ち込み、ビンゴをしようと呼びかけた。紙を折って升目をつくり、そこに都道府県やら果物やらの名前を書き入れた後、参加者が順番よく言って升目をつぶしていき、列がそろえば勝利の「ビンゴ」となる内容▼みんなが選びそうなものを書かないと升目を消していくことはできないが、自分だけビンゴを獲得しようと思えば、誰もが思いつかないようなものを選択しなければならず、知識と戦略が必要だ▼久しぶりにみんなで夢中になれた。アレンジも可能なのでぜひ。（比嘉盛友）