「派」。もとは一つながら主義や思想、流儀…
- 2024年01月23日
- 不連続線
「派」。もとは一つながら主義や思想、流儀や傾向、態度によって分かれた集団、仲間、団体と定義される。学派、宗派、流派などから右派・左派、軟派・硬派、過激派や個性派など使用例は多く、何かと群れたがる人間社会を見るようで興味深い▼石垣ではかつて、新石垣空港建設問題で賛成、反対に分かれ、集落や社会が分断されて深刻な対立を生んだ。今なお「賛成派・反対派」の言葉を聞く時、古傷に触れられる思いの人もあるのではないか▼それが復活したように感じられたのが、ここ数年の「南西シフト」、島々への自衛隊配備である。当初は人それぞれの信念や価値観に基づき、議論する余地もあったものの、駐屯地整備が着手されてから次第にぎすぎすした空気感を避けるようになり、開設後の今や話題にさえならない風潮に。意見を示さず無関心を装っても軍事化の事実は消えず、むしろ強化の一方なのに▼モノ言えなくなる社会が意味するものを考える。国民こぞって国に付き従わされた時代など、私たちは今一度歴史に学ぶ必要があるのかもしれない▼議論こそが地域の未来につながる。防衛上の「特定利用空港・港湾」整備も、市民目線の議論が必要だ▼「派」などと名付けて分断せず、互いに自由に意見を言い合う。そんな社会でありたい。(慶田盛伸)
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