災害へ「普段から備えを」
「来るべき大型台風・巨大地震~あなたの備えは万全ですか?」をテーマとする石垣市防災気象講演会(石垣市、石垣島地方気象台共催)が20日、市役所コミュニティルームで行われた。沖縄気象台の防災官らが「台風や大雨は予想できるが、地震と津波は時間と場所を選ばず、いつ起きるか分からない。いざというときのために訓練などで備えをしながら生活してほしい」と要望した。
気象防災情報調整官の西銘勇氏が「普段からの備えを~防災・減災のために~」、地震火山課地震津波防災官の高嶺透氏が「大地震からいのちを守る~来る大地震や津波にどう備えるか~」を演題に話した。
このうち高嶺氏は地震・津波の発生メカニズム、沖縄周辺の地震活動、気象庁発表の地震・津波情報について紹介、世界の地震の約10%が日本付近で発生し、沖縄周辺で2023年に震度1以上を観測した回数が全国13位と少なくないと指摘した。
八重山諸島で9313人の犠牲者を出した1771年の八重山地震津波(明和の大津波)に触れながら、事前に▽津波が襲来するおそれのある場所▽避難する場所とルート―を日ごろから確認しておくことの重要性を強調、「実際に避難経路をたどるなど積極的に訓練に参加してほしい」と呼びかけた。
西銘氏も「災害のことを気にしながら日常の生活を送ってほしい。普段から気にするのと気にしないのとでは災害時の初動対応に大きな違いが出る。普段の生活から心構えを高めてほしい」とアドバイスした。
西銘氏はほかに熱中症や大雨、雷、竜巻、台風、高潮・高波などへの対応をまとめた数え歌も三線の音に乗せて披露した。
講演会には防災関係者や一般市民ら約60人が訪れ、冒頭で能登半島地震で犠牲になった人たちに黙とうをささげ、1日も早い復旧を願った。
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