八重山毎日新聞社

　しれっと出して、しれっと通す。そんな魂胆があったのだろうか▼消費税の過少申告に伴って支払う追徴課税を盛り込んだ石垣市港湾事業特別会計補正予算案が16日の臨時議会で賛成多数で可決された後、そんな疑念が生じた▼議会開会に当たっては、年4回の定例会の場合は数日前に、臨時会の場合はその日に、議会運営委員会（10人）が開かれて会期日程や市提出議案の取り扱いを確認する決まり。その際、総務部長が議案の概要を説明する▼16日は午前9時半から議運が開かれ、総務部長は「歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ4061万1000円を追加し…」と説明。4061万円の中身は何だろうと思って説明資料を見ると、歳入（収入）は「財政調整基金繰入金」、歳出（支出）は「運営費」「公課費」「消費税」。消費税を支払うための予算だと理解した▼引き続き開かれた本会議で中山義隆市長が提案理由を説明する際も同様の内容だった。この議案は建設土木委員会に付託され、そのときに初めて質疑で「消費税」の過少申告があり、追徴課税されたことが発覚したが、同委の報告書には過少申告と追徴課税の額は記載されておらず、これも質疑で公になった▼市当局の説明責任、議会のチェック機能はどうなっているのだろう。（比嘉盛友）