黒島、八重山で子牛初セリ 「花牛」高値も平均価格下落
県内8市場の先陣を切って初セリで開催された黒島家畜市場で116万円の高値を付けた一番牛=13日午前、黒島家畜市場
八重山家畜市場の初セリの入場を待つ一番牛。114万円余りの高値で取引された=13日午後、八重山家畜市場
JAおきなわの黒島家畜市場、八重山家畜市場で13日、2024年の子牛初セリが相次いで行われた。「花牛」に選定された子牛には100万円超の高値がついたが、平均価格は黒島で40万3953円、八重山で46万5931円と前年同月からそれぞれ9万1409円、4万7255円も下落し、昨年に続き厳しい船出となった。
黒島では午前10時ごろ、県内8市場の先陣を切って開始。171頭の取引があり、販売総額は6907万6000円だった。平均価格は去勢45万7572円、雌33万5320円。一番牛の去勢には116万6000円の最高値がついた。
八重山では午後2時ごろから行われ、291頭の取引で販売総額は1億3558万6000円で、平均価格は去勢51万6177円、雌37万6923円。最高価格は1番牛の去勢で114万1000円だった。同市場では14日もセリが行われる。
初セリを終え、黒島肉用牛生産組合の那根真組合長は「前月の11月からは若干上がったが、前年同月からは落ちた。厳しい畜産経営になるが、今年はどうにか持ちこたえ、肥育が潤って外食や輸出が伸びてくると希望がもてる。その間に良い牛を提供し続け、組合員みんなで厳しい状況を乗り越えていきたい」と語った。
八重山市場で一番牛の新垣公得さん(53)=石垣市大川=は「非常に光栄。日齢に対して体重も乗り、全体的にもバランスのとれた牛ができた。畜産業を取り巻く環境は厳しいが、生産者としては本土に負けない良い牛をつくっていくしかない」と決意を新たにした。
同市場で4番牛に選ばれた田中佳澄さん(35)=与那国町祖納=は5年前に兵庫県から移住して新規就農3年目。母牛6頭で繁殖を行っている。「勉強することが多いが、毎日楽しくやっていきたい。35歳なので腹をくくって頑張り、与那国の畜産業を盛り上げていきたい」と語った。
両市場ではセリ開始前に式典があり、JAおきなわの安谷屋行正代表理事専務が「今後も組織一丸となって厳しい状況を打破すべく、国・県と各地域の行政機関と連携強化を図り、畜産振興に取り組む」と述べた。県農林水産部の前門尚美部長も訪れた。黒島市場では前泊正人竹富町長、八重山市場では中山義隆石垣市長、糸数健一与那国町長、前泊町長が勢ぞろい、購買者に感謝するとともに畜産振興に尽力する考えを伝えた。
八重山市場では2023年多頭購買者として㈲水迫畜産(2874頭)、大石総本店グループ(733頭)、㈱中山畜産(422頭)が紹介された。(額は税抜き)
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