「訪問税」原則2000円 竹富町審議委
- 2024年01月12日
- 政治・行政
竹富町が有人島への入域者を対象に導入を計画する法定外普通税「訪問税(仮称)」について、審議委員会(委員長・青木宗明神奈川大学教授・6人)は11日午後、町役場で最終となる第3回審議会を開き、税率は1人「2000円が適当」などとする報告書をまとめた。八重山圏域(竹富町除く)の住民も課税対象で、往来頻度の高い郷友会員や町内に仕事で通う事業者、エッセンシャルワーカー等は税負担が軽減される「年払い対象者」に位置付けた。同会は12日午前、前泊正人町長へ答申する。(8面に関連)
訪問税は観光客等の来訪で発生・増幅する行政需要に対し、「原因者負担」の観点から膨張する経費の一部を来訪者に負担してもらう仕組み。同町によると、2021年度予算のうち、来訪者に対応するための行政需要は約10億円と算出しており、町の年間入域観光客数(約100万人)で割ると1人当たり約1000円程度となる。
一方で需要は年々増加しており、観光防災関連など実施されていない施策も含めると年間約20億円を試算。審議委員会では前回までに「持続可能な観光地として存続するための税率水準として2000円が適当」とする意見をまとめている。
今回はこれまでの協議内容を基に作成した報告書案について事務局から説明があり、委員らは非課税設定の可否と特別措置「年払い」対象者、小人価格の3点について意見を交わした。
八重山圏域の住民を一律非課税とするかの議論で青木委員長は「町民と同等に扱うという点でかなり現実的ではない。不可能」と指摘。小学生を無料とする小人価格は公平性の観点から「不均一課税とする明確な理由が見いだせない」とした。
年払いについては対象者の範囲と税率で意見が分かれたため、二つの案を用意し、町に判断を委ねることに決めた。「八重山圏域(石垣市・与那国町)在住で5000円以上」または「祭祀行事等に参加する郷友会会員、介護で通う親族、ヘルパー、医療関係者、事業者作業員、季節労働者などで3000円以上」のどちらかとなる。
委員からは「特別措置の審査は行うべきだ。ふるさと住民票を発行した人も対象にしてみてはどうか」(上妻毅氏)、「年払い対象者を公民館長に審査させるのは負担が大きく難しい」(大久研一氏)などの意見があった。
町は15日からの住民説明会、条例案に対するパブリックコメントで意見等を収集。早くて3月の町議会定例会に条例案を上程する。可決後は総務省同意を得て、施行・運用開始に向けた準備に入る。今後は特別徴収義務者の地元船会社、航空会社に概要を説明し、理解と協力を求めていく考え。
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