子牛価格が前年比大暴落 23年家畜市場実績
- 2024年01月12日
- 社会・経済
JAおきなわが運営する八重山、黒島の両家畜市場で2023年に取引された子牛(黒毛和種)の平均価格はそれぞれ49万4811円、44万7455円となったことが八重山地区畜産振興センターの集計で分かった。平均価格は八重山で前年比11万5110円安、黒島で14万305円安と大暴落した。両市場の売上総額も前年比10億9729万円減の44億7720万円と落ち込んだ。
八重山家畜市場では8195頭が取引され、売上総額40億5311万円。前年は8368頭、50億5197万円だった。
取引頭数は前年比で173頭減り、平均価格も低迷したことで売上総額は2割近い9億9886万円減少した。
月別平均価格は去勢が45万円から62万円、雌が36万円から51万円の間で推移した。
奇数月にセリが行われる黒島では948頭が取引され、売上総額4億2408万円。前年は892頭、5億2251万円だった。
黒島市場は取引頭数は増加したものの平均価格の値下がりが影響し、売上総額は9843万円減となった。
月別平均価格は去勢が42万円から57万円、雌が31万円から54万円の間で推移した。
両市場ともに2022年の夏以降、落札価格が急激に悪化。23年の平均価格は八重山で5月、黒島で3月以降、50万円を割った。特に黒島では9月以降で40万円を下回るなど飼料高騰とあいまって生産農家の経営を苦しめている。
石垣島和牛改良組合の比屋根和史組合長は「下落が続き厳しい一年だった。北海道の乳牛への和牛の受精卵移植で子牛の供給が増えているが、中国への輸出が止まっている。また、改良が進みすぎてさしが増えた牛肉が海外で売れないと輸出業者からも聞いている。高止まりしている飼料・肥料価格もあり生産農家がやっていける状況にない」との見通しを示した。
今年の初セリは、13日から県内トップを切って両市場で行われる。(金額は税込み)
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