新造船導入へ本格化 竹富町 25年12月就航目指す
- 2024年01月09日
- 地域・教育
2025年12月に運航を終了するJAおきなわ所有の貨物船「汽船農協やえやま」(総トン数52㌧、全長23・9㍍、喫水1・65㍍)に代わる多機能型貨物輸送船の導入に向けた動きが本格化している。総事業費6億1500万円のうち、今年度実施の設計・監理費に対する国からの補助金5千万円の交付が昨年12月に決定。竹富町政策推進課の小濵啓由課長は「町所有の新造船ができることで、さらに住みよい町になることを期待している」と述べた。
今回、補助金交付が決定したのは設計・監理費6300万円の8割にあたる5千万円。沖縄離島活性化推進事業を活用した。
新造する多機能型貨物輸送船は、現行より総トン数で11㌧大きい63㌧。速力は変わらないが、喫水を浅くすることで干潮時にも各離島への運航が可能となるなど柔軟な運用が期待される。
船体が大型化することで、町民の健康管理に不可欠な検診車や各島のインフラ整備に必要な大型建設機材などの海上輸送の安全性も向上する。
今年度は設計業務などを行う予定で、船の仕様などを決定する。事業者はプロポーザル方式で選定。24年度には建造に着手し、その後、進水式を経て各種検査を実施し25年12月までの本格運用を目指す。
農協やえやまは、1992年建造。年間に海上貨物全体の15%にあたる8600㌧余りの貨物を運ぶなど竹富町の島々と石垣島を結び島民の生活を支えてきた。
通常の耐用年数15年を大幅に超える30年を過ぎたことで老朽化が著しく、運航に必要な維持管理など膨大なコストがかかることから、JAおきなわは25年までに同船の処分と海運業からの撤退を決定している。
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