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「カタバリ」で邪気払い 白保公民館が種子取祭

白保の種子取祭では伝統の「カタバリ」が奉納された=8日午前、オーセ前

白保の種子取祭では伝統の「カタバリ」が奉納された=8日午前、オーセ前

 白保公民館(前盛善宣館長)の種子取祭が8日早朝、オーセ(拝所)で行われ、関係者が来夏世の五穀豊穣と地域住民の無病息災を祈願した。石垣島カタバル馬愛好会(新本信市会長)は伝統の「カタバリ」を奉納し、集落内で馬を走らせ邪気を払った。

 午前6時ごろから公民館役員や地域の農家らがオーセに集い、神司の大城美由紀さん(嘉手刈御嶽)、迎里三千枝さん(波照間御嶽)、石川ときさん(真謝御嶽)とともにニンゲー(願い)を開始。「力草の根、ススキの根のように、犬の毛、猫の毛のように育て」という神司の願い口に合わせ、稲の成長を村の神と火の神に祈願。紅白のイバチや酒、塩などを供え手を合わせた。

 その後、石垣島カタバル馬愛好会の乗り手らが伝統の面「アガフツィ」を被り村内で馬9頭を走らせて邪気払い。白保郵便局前の国道390号線とオーセを結ぶ一直線の道「ンマガミチ」ではカタバルが行われ、馬の軽快なひづめの音と乗り手の「ハイッ」というかけ声が響いた。

 0歳から毎年見に来ているという仲島瑞ちゃん(5)は「速くてかっこよかった。大きくなったら馬に乗る人になりたい」と憧れた様子。母・恭子さんは「これだけ馬がいると圧倒される。昨年まではコロナ退治も祈願していたけど、今年は米の豊作に集中してニンゲーできたと思う」と話した。

 前盛館長は「無病息災と平和、夏の豊作を祈願していただいた。天候にも恵まれ無事に終えることできホッとしている」と安堵の表情を見せ、「(伝統行事は)平和だからこそできること。継承していくことが私たち大人の役割」と語った。

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