八重山毎日新聞社

　私は「えいこ鮮魚店」の居酒屋で働いている。ここが居心地がいいので。それに島の雰囲気も好きなので。島外に出ることも考えたが、シンプルに怖いっていうのもあった▼仕事はホールでの接客がメイン。常連さんやいろんな人たちと会って話をしたり聞いたりするのが楽しい。20歳になるので今後は責任感が増してくるのかなと思っている。ホールの雰囲気を大切にする接客をしなければならない、と責任の重さを強く感じている▼先日、店主の英子さんが亡くなった。いなくなって、そのあまりにも存在の大きさに改めて気づいた。英子さんがいると、叱咤激励もするし場が引き締まる。亡くなった後、この人が私の目標なんだと思った。第二の英子さんになりたい▼以上は本紙2024年正月号「20歳の抱負」の取材で聞いた話の一つ。心が温まり、その店主をよく知る記者仲間にすぐ連絡したたところ、彼も声をふるわせていた▼20歳の抱負では、ほかに「お父さんはすごいなと思った」「小さいころから母親の背中を見てきた」などと、保護者に敬意を示したり感謝したり。その上で将来への思いが紹介されている▼読んでいて頼もしいと感じた。われら中年世代、子や若者の目標となるような存在にならなければ、とシャキッとする。（比嘉盛友）