八重山毎日新聞社

　28日は官公庁で業務が終わり、3市町などでは仕事納め式が行われた。街には年末年始を南国で過ごそうという観光客の姿が目立つ▼わが家は妻と子どもたちが一足先に帰省した。妻子がいない生活は案の定乱れる。帰宅したらリビングのソファに寝そべり、とりあえず缶ビール。買ったはいいけど「積読」状態だった本をだらだらとつまみ読みしているうちに食事をつくるのが面倒になり、カップラーメンで済ます▼このだらしなさは、行定勲監督の映画「今度は愛妻家」の北見俊介状態である。豊川悦司と薬師丸ひろ子主演のこの映画。勘の悪い筆者は、少なくとも2度見る必要があった。見終わった後、みなさんもこう思うに違いない。「大切な思いは『今』素直に伝えなければいけない」と▼この一年を振り返るとパートナーや親、友人、同僚など周りの人に大切な思い、感謝の気持ちを伝えるべき場面があったが残念なことに実践できていなかったように思う。この場を借りてみなさんに感謝を伝えたい▼「今度は愛妻家」は、もともとは舞台劇だっただけあり、脚本もせりふもよく練られていて最後まで飽きさせない。舞台は沖縄や冬の町だ▼こんなことを言うと鬼に笑われるかもしれないが、来年こそは、感謝の気持ちは、すぐに素直に伝えようと思う。（立松聖久）