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石垣市、緊急断水で陳謝 初動対応や周知に問題

石垣市内のほぼ全域に影響した緊急断水について陳謝する中山義隆市長(左)と比屋根悟水道部長=27日午後、市役所庁議室

石垣市内のほぼ全域に影響した緊急断水について陳謝する中山義隆市長(左)と比屋根悟水道部長=27日午後、市役所庁議室

受信設定に関係なく全登録者に通知されたのは午後2時20分の第2報からだった(市公式LINE画面)

 石垣市内のほぼ全ての世帯へ水道水を供給する石垣浄水場のろ過池の不具合による緊急断水について、中山義隆市長と比屋根悟水道部長らが27日夕、市役所庁議室で会見し、初動対応や市民への周知に問題があったとの認識を示し陳謝した。比屋根部長は「今後は市民目線に立ち、早急な対応を行うとともに真摯に反省し、安心安全な水道事業運営に努める」と述べた。

 石垣浄水場では23日ごろから一部のろ過池の処理能力が低下。26日午前には、名蔵配水池系統で水圧の低下や水が出ない状態になった。この後、「これまでに経験したことがないぐらいのスピードでろ過能力が悪化」(水道部長)し、満水状態で水深3・2㍍ある配水池が15㌢まで落ち込むなどしたため、同日午後2時に緊急断水に踏み切った。

 水道部の担当者は「機能低下は土日(23、24日)の時点で始まったが、メンテナンス作業は週明けからと決めていた。もう少し早めにとりかかるべきだった。判断が甘かった」と振り返った。

 比屋根部長は「取水した河川水が通常より濁っていたことや、急激な寒暖差により水処理を行う微生物の処理能力が低下したことなどが原因と見られる。周知をする前に水位が下がってしまった。早めに水を止めて周知すべきだった」と述べた。

 緊急断水は26日午後2時から実施され、同日夕から27日正午にかけて市水道部や市消防本部が給水車を出し、市民に飲料水などを配布した。26日夜から27日午前10時までは、県を通して市の災害派遣要請を受けた陸自石垣駐屯地も給水支援を行った。

 復旧作業は26日から夜間を通して実施。配水池の水位は50%程度までに回復し、現在は通常の配水量で供給を行っている。ろ過池の復旧作業は28日まで行われ、ろ過機能の完全回復を目指す。

 27日夕方時点では、一部の地域で水道ににごりなどが発生しているが、28日には解消する見通し。名蔵配水池の水位も回復し、配水への影響も出ていない。

 

■一部市民に情報届かず 市公式LINEで第1報

 石垣市内のほぼ全域が対象となった緊急断水の周知を巡り、市公式LINEの登録者の一部に午後1時50分ごろ出された第1報が届いていないことが分かった。受信設定が原因で市DX課では「アプリの受信設定を見直してほしい」と呼びかけている。

 第1報が届かなかったのは、同アプリの受信設定のカテゴリーで「公共インフラ(上下水道、道路、公園他)」の項目をオフにしているケース。同課によると意図せずにオフになっている可能性もあるという。

 公式LINEには当初、受信する項目を選択する機能はなかったが、新型コロナウイルスが市内でまん延しだしたころ市から市民への通知が増加。「必要な情報だけ受信できるようにしてほしい」という市民からの声を受けてカテゴリーごとに取捨選択できるように機能を追加した。

 一方で、新たな項目が増えた場合は初期設定がオフになっていることから同課では「必要に応じて項目を追加する場合がある。こまめに設定の確認をしてほしい」としている。

 今回の断水のお知らせは、水道部の判断で午後2時20分の第2報以降は「緊急的な情報」として選択の有無にかかわらず全登録者に届くように送信された。

  • タグ: 石垣市水道部石垣浄水場緊急断水
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