石垣―基隆定期船 市長「準備課」に意欲
「来年度内を開設目標に」
石垣・基隆定期航路フェリー開設に係る検討委員会(委員長・嶋田廉石垣市企画部長)は25日、市役所庁議室で中山義隆石垣市長にフェリー開設に向けたビジネスプランや具体的施策をまとめた報告書を手渡した。今後、市が中心となり、航路開設を加速化させていく。中山市長は、庁内で「石垣・基隆定期フェリー航路開設準備課」を発足させ、航路開設時期を「令和6(2024)年度内を目標にしている」と打ち出した。
検討委はことし6月に設置、会合を5回開催。市における観光産業の持続的発展等の観点から、外国人観光客による収益増、台湾からの誘客をより推進するため、新規航路の開設へ国、県、市、企業など関係者と課題抽出や対応策を検討してきた。
フェリーによる石垣―基隆間の所要時間は片道約5時間。候補船の旅客定員は約800人だが、コンテナや車両の積載スペースを活用すると3千人程度が乗船できるという。住民避難の際の活用も見込む。
会見の中で、石垣市民限定の料金プランも方針として示された。市民は運営法人の割引に加え、石垣市のふるさと納税等による2段階の補助を受けることで、安価な料金設定を目指す。市民以外の運賃は、今後立ち上げる法人と調整する。
嶋田委員長は「報告書を真摯に受け止めていただき、取り組みに必要な施策の具体化を図り、全庁一丸となっていただくことを強く期待する」と中山市長に報告書を手渡した。
会見で中山市長は先月、台湾に渡り立法委員、台湾の高官、石垣と交易を希望する企業(製造・流通系)と意見交換を行い、台湾側から前向きな回答があったことを明かし、「台湾側も定期航路開設へ積極的に支援するとの約束を取り付けてきた」と手応えを示した。また、先週は自見英子沖縄担当相へ市の取り組み紹介と必要な支援を要望している。
庁内に同課を設置後、航路の採算性を確保するため、台湾や日本国内の企業誘致も進め、貿易品目の開拓をしていく。
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