温泉リゾートに反対決議 臨時総会で「島の意思」示す
- 2023年12月25日
- 社会・経済
【竹富】ホテルピースアイランド竹富島の隣接地で㈱竹富島黒潮観光(平安秀昭代表取締役)=竹富町竹富=が計画する温泉リゾート「ピースアイランド竹富島温泉(仮称)」を巡り、竹富公民館(新田長男館長)は24日午後、賛否を問う臨時総会をまちなみ館で開き、反対することを多数で決議した。反対165人、賛成33人、どちらとも言えない9人だった。決議に法的拘束力はないが、島の意思を示したことになる。
賛否を問う臨時総会は、竹富島を守る会(阿佐伊拓会長)ら51人の請求に基づき招集され、本人54人、委任147人の201人が出席した。
請求代表者で竹富島を守る会の阿佐伊会長は「建設計画地は、公民館が祭主として行う16回の祭祀のうち半分の8回も行う真地御嶽に隣接している。竹富島憲章の保存優先の基本理念には『島の風紀を乱さない』とうたわれている。島の宝である御嶽の静寂さ、島の伝統文化を継承する核となる祭祀の荘厳さに大きな影響を及ぼす可能性がある観光施設は不要だと考える」と説明。守る会会員(108人)へのアンケートで107人から回答を得た結果として反対101人、賛成4人だったと報告した。
黒潮観光元代表の上間毅氏は賛成の立場から「景観計画審議などすべてクリアしている。当事者の説明を聞かずに可否をとるのは乱暴なやり方、将来に禍根を残す」と主張した。
新田館長は取材に「臨時総会は計画の賛否を問うことを議題として請求されて開催された。島民が賛成、反対の意見を言えるが、当事者から説明を受ける場ではない」と述べ、説明会は事業者が独自で行うべきだとの認識を示した。
公民館決議を受け、阿佐伊会長は「後押しになる。守る会の臨時総会に図り、具体的な行動について話し合いたい」と述べた。
黒潮観光は21日、現地で地鎮祭を行っており、粛々と整備を進める考え。平安代表は取材に「発言の機会を与えられなかったのは残念。10部屋を減らし、真地御嶽からは当初の2㍍から最大10㍍離した。板垣で施設の中が見えないようにする」と話した。
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