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2024年は、1874年の台湾出兵から…

 2024年は、1874年の台湾出兵から150年の節目だ。この3年前、台湾島の南東海岸に漂着した琉球人が殺害され、これを理由に台湾出兵が行われる。後の琉球処分につながる重要な事件だ▼初夏の6月、この海岸付近の村を訪ねた。台湾島のなかでも特に自然豊かな場所だが、思いがけないことに、軍が演習中だった。この演習のことはいずれ記事で読者のみなさんにお伝えしようと思う▼台湾紙によると、この演習について、付近の先住民族(原住民族)が「私たちの伝統的な領域で訓練を行うのに、事前の告知が不十分」と訴えていた。演習に反対しているのではなく、冷淡に扱われたように感じたというのだ▼伝統的な領域とは、祭事や聖地、集落・狩猟・農耕など先住民の文化や伝統的な習慣に基づいて囲われる公共的な土地のこと。2018年6月施行の原住民族基本法により、伝統的な領域で土地の開発や学術研究などを行う場合には、地元の先住民の同意などが必要と定められた▼台湾は多民族・多文化の国だ。衝突や対立を経ながら仕組みを築き、多様性を保ってきた▼かつて琉球人が漂着した海岸は、少し無理をすれば、台北から新幹線やローカルバスを利用して日帰りできる。台湾は近く、そして遠いと実感すること請け合いである。(松田良孝)

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