スマムニでおもてなし 施設内に方言デザイン
- 2023年12月17日
- 地域・教育
壁面へ「言語の木」を作成した多宇美月さん、島尻星菜さん、土岐萌々花さん(左から)=15日午後、ホテルパティーナ石垣
さまざまな方言が書き込まれたポスター。館内に掲示して観光客に楽しんでもらう=15日午後、ホテルパティーナ石垣
八重山商工高校(仲山久美子校長)と麗澤大学、ホテルパティーナ石垣島による共同プロジェクト「スマムニでおもてなし」が15日、同ホテルで行われた。八商工観光コースの生徒と麗澤大の学生団体「LinkRu(リンクル)」が、観光客に島の言葉に興味を持ってもらうとともに地域の言葉を次世代へ伝えていこうと今年度から取り組んでいる。今回は、自然や郷土芸能、食に加えて言葉でも八重山を楽しんでもらおうと高校、大学、産業界の3者連携事業として実施した。
この日、作業を行ったのは八商工3年の島尻星菜さん(18)、多宇美月さん(同)、麗澤大国際学部4年でLinkRu代表の土岐萌々花さん(21)の3人。
八商工の2人は、授業の課題研究で「島の言葉を次世代へ継承していこう」をテーマに活動。1学期は島内事業者にスマムニの使用状況や意識などについて聞き取り調査を実施。9月以降は、スマムニの使用についての提言を行っている。
土岐さんの所属するLinkRuは、言語や国にとらわれないコミュニケーションの活性化を目的に活動。大学のエレベーター内部を多言語で装飾する実験的な取り組みなどを実施している。
同ホテルの朝食会場壁面へ「言語の木」を作成。葉をかたどった紙に方言や島で使われる言葉などを標準語とともに書き込んだ。
階段壁面やエレベーター内には方言とその説明が書かれたポスターを掲示、朝食で使うランチョンマットにも方言をデザインした。
宿泊客には、方言クイズに挑戦してもらい、島の方言に親しんでもらう。
八商工の島尻さんは「旅行中に方言を使って地元の人と交流を楽しんでほしい」、多宇さんは「沖縄の言葉は、外国語みたいと言われる。一つでも覚えて帰って親しみを持ってほしい」と期待した。
土岐さんは「スマムニは、絶滅の危機にひんしている。この活動をきっかけに多くの人にスマムニが広がり、後世に残るような活動にしたい。観光客には、島はきれいな海だけじゃなく、独特の言葉や文化があることを伝えたい」と強調した。
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