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滑走路延長で意見書 新石垣 県に国への要請求める

野党7人は退席し、賛成多数で意見書が可決=11日夕、市議会議場

野党7人は退席し、賛成多数で意見書が可決=11日夕、市議会議場

賛成多数、野党7人は退席 12月定例市議会

 12月定例石垣市議会(我喜屋隆次議長)一般質問が11日、始まり、自衛隊や海上保安庁が平素から空港・港湾を利用しやすくなる「特定重要拠点(仮称)」に関する質問があがった。同拠点に指定されれば、空港の滑走路延長や港湾整備などを行う。中山義隆市長は、新石垣(滑走路2000㍍)の機能強化へ観光振興や住民避難の観点から「延長は必要」と改めて考えを示した。一般質問終了後、県に対して早急に新石垣空港の滑走路800㍍延長と空港機能強化・拡張を国へ求めるよう、意見書が賛成多数で可決された。

 石垣市はこれまで、何度も県や国に新石垣の滑走路延長を求めてきた。市議会も2018年に県へ要請している。

 当初は、欧州などから大型機の直行便受け入れ、アジア圏域との輸出入を活発にする狙いで滑走路延長を訴えてきた。

 現在は、ロシアによるウクライナ侵攻、「台湾有事」、他国からの武力攻撃等に対応する目的も理由で追加されている。当局は、新石垣の滑走路延長やエプロン拡張により大型航空機が離着陸でき、住民避難の期間短縮化につながると予想。

 新石垣の設置管理者は沖縄県。友寄永三氏の質問で中山市長は、重ねて県に要請してきたが、「(県から)国に上がっていないのが現状。県は積極的に滑走路延長に関わってもらいたい」と県にくぎを刺した。

 県は航空会社からの要請、地域住民の合意形成、採算性などをクリアできるか慎重な姿勢をみせている。

 長浜信夫氏は、特定重要拠点空港・港湾に指定されると、「米軍機の飛来も可能性とある。周辺国も刺激して緊張を高めるのでは」と指摘。中山市長は「市民の生命を守るため延長は必要」と述べた。また、「台湾有事で台湾から大勢の避難民が来るかもしれない」とし、対応のため自衛隊や警察が石垣に入る際にも機能強化は必要だと示した。

 友寄氏は、政府が特定重要拠点施設に掛かる必要経費を24年度当初予算に計上する方針を紹介し、予算編成の期限について質問。嶋田廉企画部長は国の当初予算を編成するリミットが「12月下旬」と述べた。

 これを受け友寄氏は一般質問終了後、緊急動議で県から国へ早急に新石垣空港滑走路800㍍延長と空港機能強化・拡充を求める趣旨の意見書を提出。県を突き上げて、国の24年度予算に新石垣の整備費用を組み入れたい考えを示した。宛先は玉城デニー知事。

 仲間均氏は国の概算要求が「11月頃で締め切って12月の頭で決定すると理解している。国や県と調整して出すべきだったのでは」と確認。友寄氏は、嶋田廉企画部長の答弁を根拠に「一日も早く要請する必要がある」と判断した。

 花谷史郎氏は、このタイミングで要請する意見書の効果が低い点を指摘。採決で反対に回った。

 採決の結果、賛成12(与党、会派未来)、反対1(花谷氏)で可決。そのほかの野党は「緊急提出の必要性がない」「動議の乱用を危惧する」などを理由に退席。仲嶺忠師氏は午前中から欠席した。

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