竹富島種子取祭、4年ぶり通常開催
【竹富】国の重要無形民俗文化財に指定されている島最大の行事「種子取祭(タナドゥイ)」の奉納芸能が28日、世持御嶽(ユームチオン)で始まった。コロナ禍の影響で4年ぶりの通常開催。初日は、広場で「庭の芸能」が披露されたあと、特設舞台で玻座真村が島独特の狂言や舞踊などを奉納した。地域住民や県内外の郷友会、見物客らが駆け付け、にぎわいを見せた。29日は仲筋村が舞台芸能を行う。
種子取祭は、種をまいて一年の五穀豊穣を願う行事。600年の歴史があるとされている。
初日は、午前7時に公民館役員らが弥勒奉安殿に集まり、弥勒興しの祈願を行った。午前11時過ぎに神司を先頭に御嶽に戻り、庭の芸能がスタート。青年らが「棒術」で場を清め、竹富小中学校の児童生徒や有志らが「太鼓」を披露した。
各会の女性らは、「マミドー」、「ジッチュ」、「マサカイ」、「祝種子取」と晴れやかな踊りを次々と奉納。腕と腕を絡ませて力比べする「腕棒」で会場を盛り上げ、最後は馬型を付けて飛び跳ねる「馬乗者」が行われた。
正午頃からは、特設舞台に移って玻座真村(東集落・西集落)の舞台芸能が行われた。島の子どもたちを引き連れた弥勒の登場で幕開け。道具をつくる「鍛冶工」の狂言や、種をまく「世持(ユームチ)」、収穫を喜ぶ「世曳(ユーヒキ)」などで島の様子を表現した。初日は計27演目が奉納された。
竹富公民館の新田長男館長は「3年コロナという病のために神事ばかりとなったが4年ぶりに通常開催できてうれしい。竹富の神々のおかげで天気にも恵まれた。神の供物として島の踊りや狂言を行うので、皆さんも見て応援していただけたら」と竹富方言であいさつした。
種子取祭は全体で9日間。このうち奉納芸能は7、8日目に行われる。
関連するニュース
- 創立60周年の節目祝う 竹富老人クラブ松竹会 2024/06/04
- 3人のマンダラー祝う 竹富公民館 2024/02/29
- 「カタバリ」で邪気払い 白保公民館が種子取祭 2024/01/09
- 竹富島継承へ「挑戦」誓う NPOたきどぅん設立20周年式典 2023/08/13
- 倉橋さん50年ぶり竹富島 本土復帰当日の様子撮影 2022/10/17
- 種子取祭 3年ぶり奉納芸能 2022/10/05
- 竹富島種子取祭 五穀豊穣など祈願 2021/10/08
- 日本最南端の海びらき 一足早い夏の訪れ 2021/03/21
- 4人のマンダラー祝う 竹富島 2021/02/24
- 島に初めての自動車 友利国男さん(83)=竹富島= 2020/09/18