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日本と近隣諸国の学生が平和について語る…

 日本と近隣諸国の学生が平和について語るシンポジウム「あしたのアジア」(県主催)が25日、那覇市内であった。韓国済州島の学生は「沖縄は特別な場所」と語り、米軍や自衛隊の基地がすぐそこにある沖縄の状況に、済州島の暮らしを重ね合わせていた▼参加した若者たちは約1週間、沖縄で戦争体験の聞き取りや戦跡訪問、意見交換を行った。これを踏まえてのシンポである▼長崎の学生は「台湾の人と交流して、台湾の現状が維持できているのは沖縄の基地があるからということを知った」と語った。台湾の学生は「(沖縄戦など)戦争に対する感じ方は(沖縄の人たちと)同じ」と語ったうえで、沖縄と台湾の地理的な共通点を挙げ、「左(西側)は大陸国家に囲まれ」ていることがリスクだと説明した▼こうした発言を性急に基地に対する賛否と結びつけ、評価してしまおうとすることには慎重でありたい。立ち位置の違う相手との距離感をどうつかむかというレッスンを与えているのではないか▼複雑な歴史をたどってきた台湾。日本寄り、沖縄寄りの年表でものを考えると、台湾の人との間で時にすれ違いが起きる。心しておかなければと思う▼連携は「壁」を乗り越えた先に結ばれる。国家間でも、市民レベルでも、この点はそう変わらない。(松田良孝)

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