八重山毎日新聞社

　ビッグモーターが会社前の通りの並木を邪魔だと除草剤で枯らしていたというニュースは、似たような例が、かつて石垣島の国道ヤラブ並木にもあった▼店からの眺めを妨げているとの理由で届け出をせず勝手に並木の先端を切った話。ニュースになり世間の風評もあってか店は、その後閉店した▼並木は隣接家屋への進入路が無い歩行者や車の出入りのためなら申請し許可が得られれば撤去は可能だと聞く。ただ間引き以外は、切られてしまうと並木景観としてどうかと思うので可能な限り切らないほうがいい▼先日、国道ヤラブ並木の成木3本が切られた。近接の建築主I氏から届けがあったのだろう。この事例の一部始終を見知っているので紹介したい▼建築主は建物工事が始まる前から国道沿い植栽マス周辺の清掃、雑草抜きを始めた。向かい側の広めの植栽マスにはヤラブの苗木を3本植えた。同時に雑草抜きを終えたマスには草花を植えた。おかげで建物の完成時にはきれいな植栽マスが建物を挟んで左右に連なるようになった。申請者の地道な国道美化活動を見ていた土木事務所がすんなりＯＫしたのも分かる▼ビッグモーターとは対極の会社もある。創業者が始めた会社内外の美化清掃活動で客に信頼され全国で盛業中のイエローハットの歴史がそれ。（仲間清隆）