八重山毎日新聞社

　「もうウンザリ」。八重山に住む人たちの率直な感想だろう。21日午後10時40分すぎ、北朝鮮が「軍事偵察衛星」と称するミサイルを沖縄の方向に打ち上げた▼これを受け、同日午後10時46分、沖縄県内でＪアラート（全国瞬時警報システム）が発出され、夜更けにスマホからけたたましいアラームがなり、軍事衛星打ち上げが通知された。北朝鮮の通告よりも1時間以上早く、突然の警報に多くの人が驚いたことだろう▼北朝鮮が沖縄の上空を通るルートで軍事偵察衛星を打ち上げるのは今年に入り5月、8月に続き3度目。2度は失敗し、今回は「成功し、地球の周回軌道に正確に進入した」と発表している▼打ち上げの度に、国内では警戒態勢が取られ、自衛隊はイージス艦や地対空誘導弾パトリオット（ＰＡＣ3）を展開。石垣市でも、南ぬ浜町から移動したＰＡＣ3が自衛隊石垣駐屯地内で迎撃準備し、万一の落下に備えた▼打ち上げに岸田首相は「国連安保理決議違反だ」と避難。「国民にとって安全にかかる重大な自体だ」と最も強い口調で厳重に抗議したことを明らかにした▼打ち上げ成功で、これで終わりかと思いきや北朝鮮は来年も打ち上げ継続を宣言した。いったいいつまでこの状態が続けられるのか。いいかげんにしてほしいものだ。（下野宏一）