保護条例「改正すべき」 市文化財審
- 2023年10月04日
- 政治・行政
2023年度第2回石垣市文化財審議会(大田静男会長・委員10人)が3日午後、市役所第3会議室で開かれ、文化財の地方登録制度導入に向け「市文化財保護条例の改正を進めるべきだ」とする意見をまとめた。
21年の文化財保護法改正で新設された同制度について、市では現在検討が進められている。市教育委員会文化財課によると、導入の際には同条例と施行規則を改正する必要があり、市文化財の指定・認定・選定と選択基準は国や県との整合性を図らなければならない。
審議会の報告の中で同課は制度の概要について説明。市議会9月定例会一般質問で内原英聡氏が取り上げたブンヌスーや霊供盆(リョングブン)など八重山の食文化の文化財指定の可能性については「登録制度の活用や記録作成等を講ずべき文化財として選択するなどの取り組みが適している」との考えを示した。
また一定の関係者によって作られるブンヌスーなどの行事食と各家庭で差異をもって伝えられてきた霊供盆は特性が大きく異なることから「区別して検討する必要がある」とし、無形民俗文化財としての登録・選択だけでなく、継承を推進する取り組みも必要だとした。
このほか報告では▽名勝宮良殿内庭園ツバキ樹勢回復措置▽真栄里宮鳥トーチカ跡記録保存事業▽水利施設整備にかかるカンドウ原遺跡(大浜)の試掘調査▽第4回八重山上布保存会展開催―などがあった。
樹勢衰退がみられる宮良殿内庭園のツバキは樹木医指導の下、早ければ10月下旬以降に樹勢回復措置を実施する。根元周囲15カ所に穴をあけ完熟油粕を投入し、植物活力素を投与して回復を図る。委員からは根腐病を懸念する声や早期の剪定・挿し木、品種の確定、推定樹齢算出を求める意見が挙がった。
報告に先立ち、委員10人の委嘱も行われ、委員長に大田静男氏、副委員長に島村賢正氏が選出された。
その他の委員は次の各氏。
▽委員=松島昭司、東田盛善、宮良断、宮良芳和、内原節子、與那嶺一子、下地傑、阿利よし乃
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