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八重山に住む台湾系の人たちが続けている

 八重山に住む台湾系の人たちが続けている恒例の土地公祭が開かれた(9月30日付本紙8面)。雨空のもと、例年とそう変わらないにぎわいとなった▼会場には台湾との交流に取り組む人たちの姿も目立った。30年ほど前、筆者が八重山で記者活動を始めたころ、取材の現場で八重山のイロハを習った先輩のテレビ局元通信員も来ていた。前回お会いしたのがいつだったか思い出せないほど久しぶりのことである▼土地公祭が終わった後、台湾系住民の長老格のおひとりをご自宅に訪ねると、台湾系ではない知人と雑談中だった。茶請けに出されていたのは、土地公祭のお供えとして用意されていた台湾風の赤いもちである▼土地公祭に登場するアイテムは、台湾系の枠を越えた社交のツールとなっていた。筆者ももちろんいただいた▼台湾での生活経験を持つ1世が徐々に減り、台湾由来の祭事を行うのは簡単ではなくなりつつある。それだけに、例年通りに続けていることに敬服するばかりだ▼土地公祭の様子を撮影したかつての写真にも、台湾系ではない人たちの姿は確認できる。土地公祭は、実はかなり前から社交の場として活用されてきた。人を引き寄せる磁力とでも言ったらいいようなものを、祭りの継続を後押しするエネルギーにしない手はない。(松田良孝)

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