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「記者は拍手をしないから薄情」と思って…

 「記者は拍手をしないから薄情」と思っていないだろうか。もちろん人なので、拍手したい気持ちはある▼いちおう記者は社会的な第三者を装っている。どれだけ共感しても、拍手をしてしまうと参加者になってしまう。この理由で拍手をしないが、社内のルールというわけでもない▼先日、久しぶりに千人規模の拍手を聞いた。コロナ禍で何度も延期になっていた「全島とぅばらーま大会」が4年ぶりに開催された。会場の大ホールは、ほぼ満員で熱気に満ちていた。主催者の在沖八重山郷友会連合会は、黄色の統一シャツで来場者を歓迎。会長が与那国出身なので大会パンフレットに「日本最西端の碑」を取り入れたようだ▼出場者は自作や既存の歌詞を情感込めて歌い上げ、喝采を浴びた。ときどき指笛も鳴ったし、聞き取れなかったが声援もあった▼最年長93歳の山根安行さん=宮良出身=は自作の詩を披露した。「戦世ぬ地獄 コロナぬ嵐 凌(しの)ぎ命果報 今になりねーぬ ンゾーシーヌ 命どぅ宝」「トゥバラーマに願いゆ込めて 世界ぬ平和有らしたぼーり ンゾーシーヌ 弥勒世になって欲しい」▼若者にはない人生観と平和への思いを三線にのせた。歌い終えると、会場はこの日一番の一体感に包まれていた。心の中で盛大な拍手を送った。(玉津盛昭)

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