八重山毎日新聞社

　それにしても、宮崎の道路沿いのクバやヤシ、ソテツの並木、山間部の濃い緑までが沖縄の景観によく似ている▼案内して下さった方々の来る者は拒まずの歓待ぶり、しゃべり方は私たちに通じるものがあり親しみを覚えた。歌人俵万智さんが石垣島の崎枝で暮した後に宮崎へ移り住まれたことが分かるような気がした。こんな宮崎のそこかしこを見て帰るのも悪くはない▼初日のホテルは、プロ野球広島球団が定宿にしていて、選手の等身...

　忌野清志郎さんに「パパの歌」という曲がある。パパは家の中ではトドみたいにゴロゴロしているが、働くパパは「光ってる」「いい汗かいてる」「男だぜ」「かっこいい」などと子ども目線でパパの印象を表現している▼新川字会主催の豊年祭ムラプールが6日、真乙姥嶽で開催され、各字や地域、団体が4年ぶりに一堂に集まった。長老が祈りをささげ、若者が「わが村が一番」と旗頭を踊らせ、女性たちが地にしっかりと足をつけて舞...

　先週の小欄を読んだ石垣市幹部から筆者の携帯へ電話があった。「市民の不安をあおるような記事は、書かないでほしい」という趣旨のものだった▼先月、市から個人情報が外部に漏えいした。流出した内容は、市税滞納者の差し押さえリストという非常に深刻なものだった。過去にも市議会で同様の問題を指摘されていたが、再びの漏えいだ▼個人的には、度重なる個人情報漏えいに対して市民は不安を感じると思うのだが、事象の捉え方...

　いつもはズラリと食品類がならぶ陳列棚に商品が一つもない。冷凍食品類もほとんど空。先日、石垣市内のスーパーに買い物にいった時の店内の現状だ▼台風6号が石垣島に接近し、今月に入って貨物船が相次いで欠航。ようやく8日から入港が再開され、食料品などの物資の供給が始まって一安心といったところだ▼八重山地方は、台風が毎年、年数回は接近し、貨物船が欠航、スーパーなどから食料品が消える光景は何度も見てきたが、...

　古島から県庁前へ。出退勤は沖縄都市モノレールを利用している。最も混雑するのは午前8時から30分間だろうか。ぎゅうぎゅう詰めの車両に乗っている▼県庁や那覇市の職員、民間企業の社員たちが、午前8時30分の出勤を目指して乗車する。スーツケースを持った観光客も多いので隙間がない。混みすぎると体が「く」の字に曲がる。正面から見て「く」の字だ▼むかし、駅近くの高校に通っていたことで、開業時のテープカットを...

　私事ながら、親にもらった本数より2本多い歯を持っている。2月頃、冷水がしみる痛さに耐え兼ね、通い出したデンタルクリニックでそれを改めて目にした。そう、親不知（おやしらず）である▼初日に撮影したレントゲンが毎回目の前に表示される。上の2本は垂直方向だが下の2本は水平方向。奥歯を強烈に圧迫したため、二十歳前後に2年がかりで健全な奥歯2本を抜歯した。ゆえに親不知▼泣くかと思うほど痛かった。何しろ食事...

　与那国島出身者が台湾の2・28事件で犠牲になったと認めるよう求めている訴えは、台風6号の進路をにらみながら申請書の作成が行われた。暴風警報が出ていない時間帯を狙って、浦添、那覇、豊見城を回って進められた▼遺族のひとりにねぎらいのメールを送った。返信には「これから大きな台風を引き起こしますよ」とあった。もちろん、社会を混乱させている台風のことではない。事件を解決に導くために風を起こすという決意に...

　伊原間のサビチ洞は30余年前、飛騨から古民家を白保へ移築し琉染を営んでいた故山岡古都氏が、耕作放棄されていた赤土のパイン畑を譲り受け、自ら重機を動かし整備した▼古代鍾乳洞を自身の収集したつぼやかめ類の展示で自然と民芸の里にしたいと燃えていた。畑の赤土には気を使い、洞へ流れ込む大量の畑の雨水を数多くの沈殿池を設け誘導迂回（うかい）させ泥水が直接海に流れ出ないよう工夫した▼その頃、島で盛んに行われ...

　「芋の時代」という沖縄民謡がある。昭和45年（1970年）生まれの筆者はもちろんその時代を知らないが、耳になじんでいる曲である。酔うとたまに歌う。こんな一節がある▼三度三度ぬはんめーや／芋とぅマース小し腹みちてぃ／命ちなぢゃるあぬ至情や忘てーならんさ親ぬ恩儀／いちぐいちまでぃ忘んなよー。3度の食事は芋と塩でおなかを満たし、命をつないでくれた親の情けと恩はいついつまでも忘れてはいけない、という意...

　石垣市は個人情報漏えいの対策として「個人情報を含む文書についてはファクスを使用せず、パスワード付きメールや郵送での手続きを検討したい」と答弁した。（本紙2日付）▼これを聞いて「ＰＰＡＰ」の採用を検討しているのかと不安になった。ＰＰＡＰと言っても2016年ごろ世界を席巻したピコ太郎さんの「ペンパイナッポーアッポーペン」ではない▼「メールでパスワード付きの圧縮ファイルを送り、あとで別メールでパスワ...