八重山毎日新聞社

　年を重ねるきざしだろうか、折にふれ昭和期の映画館がなつかしく思い出される。字大川、2号線沿いに3階建ての丸映館、沖映館があり、石垣との字界を超えてすぐ赤瓦2階建ての万世館があった。親世代は「ばんせいかん」と呼んだ▼丸映館は洋画も多く、沖映館は邦画。学校単位の映画見学が許される文部省推薦が多かった記憶がある。万世館はいわゆる大人向けや任侠（にんきょう）もの、「不良番長シリーズ」といった、やんちゃ...

　筆者は、普段から手紙やはがきをよく書くほうだと思っている。年賀状も平均的な枚数より多く書いているらしい。人から「そんなに出しているのか」とよく驚かれるので、そうと推測できる▼電子メールやＳＮＳに不慣れなわけではないと自認してもいる。紙の郵便というツールを手放したくないという思いがある▽年賀状を書く理由は何か。いただいた年賀状を一枚一枚読み返していけば、理由はいくらでも思いつく▼しかし、いちいち...

　竹富町の訪問税は、竹富島はじめ各有人、無人島を訪れる際に都度徴収されることになるのかな。かつて西表島、由布島、小浜島、竹富島を巡る旅があった。こんなツアーはどんな課税になるのだろう▼石垣市では竹富町民も与那国町民も同じ生活圏の八重山郡民として接遇し区別しない。もちろん相互訪問は訪問料も不要▼しかし、今後、竹富町が取り、与那国が取り、石垣が取ることになったら、今度は自分たちが払う立場になる竹富町...

　弊社も中学校の職場体験学習に協力している。直近では昨年9月に2日間、石垣中の生徒2人を受け入れた。この学習には、働くことの大切さや責任感を学び、社会の仕組みを知り、そして将来の生き方について考えてもらおうという狙いがある▼新聞社では営業、総務、編集、制作、印刷など各部署の担当者から説明を受けたり、業務の一端を体験したり。編集現場では、受け入れ事業所に出向いて生徒や担当者から話を聞き、写真を撮り...

　わが家に新しい家族が増えた。卵から温めて自宅でふ化させたウズラだ。名前は子どもたちが決めた。「うーちゃん」とか「ずーちゃん」とか若干の怠慢を感じるものの、それなりに愛情をもって面倒を見ている▼昨年、ご近所さんからもらったサイカブトの幼虫は途中で興味をなくし、筆者が世話をするはめになった。一方、ふわふわして体温があり、呼べば来てくれるウズラは子どもたちが率先して面倒を見ている▼鳥類はふ化して初め...

　沖縄に今年も球春が到来した。1日から県内でプロ野球チーム12球団のうち7球団がキャンプインした▼石垣市では、17年目となる千葉ロッテマリーンズが市中央運動公園野球場でキャンプを始動した。選手、監督、スタッフ総勢94人が、リーグ優勝向け一丸となり、26日までのキャンプに臨む▼1月31日発表された2024年のチームスローガンは「自分たちを超えていく。」。吉井理人監督によると「日々皆で成長していこう...

　拝啓　読者の皆さま。私が小欄を担当することになって、あすで1年の節目を迎えることになりました。これまでお読み頂きありがとうございます▼コラムを書くに当たって多くの苦労がありました。まず、どのような文体にするかです。そこで、ふだん縁がない小説を読むことにしました。特定の文体を把握するため、日本一読まれている小説家の作品を何冊も買って勉強しました▼次にどう話題を作るかです。時事ネタをはさむことは必...

　「雲」はたとえが多い。「雲をつかむ」。ものごとが漠然として、とらえどころがないさまを言う。「雲に汁」は雨乞いの祈りが届き、雲が雨の気配を帯びることを言う。「雲にかけはし」は、かなえられない高望み。さてどうなるか▼そう、空港と港湾の「特定重要拠点施設」候補選定をめぐる見解の相違である。このうち空港は県管理のため、県知事の同意がなければ整備ができない。県への整備要請を前に中山市長は、滑走路延長の必...

　沖縄本島では断水の恐れありと節水を広報、連呼している。石垣島でも事情は一緒だろう。こんな大事な水を我が家では、新年早々、電気温水器の銅管の腐食で漏らしてしまい恐縮している▼漏れに気づいたのは結露等の排水に供されている地面に刺された管の周辺の広範な湿り。メーカーに水漏れを通報したら特機なので修理は本土でしかできない。代替え器との交換修理となる、修理代も高額、1週間以上要すとも。元栓を閉めると漏水...

　子どもが小さいころは、弁当を持って公園でピクニックをするのが楽しかった。ところが、成長するに連れ、部活や学校での付き合いなどで、いっしょに過ごす機会も減った▼最近はこれにスマホがダメ押しをかけてくる。昔はテレビを見続けていると「勉強もしないで」と注意されたものだが、最近はテレビすら見ない。せめてテレビくらいはいっしょに、と親のほうから誘う始末である▼実家などで親類が集まるとき、子どもたちはどう...